てるてるBo'z

B'z、doaが大好き。お絵描きも大好きです。

稲葉さん歌詞考察

「コンビニ人間」を読んで稲葉浩志「マグマ」の歌詞を思い出す

この前「コンビニ人間」という本を読みました。


コンビニ人間 (文春文庫)


とてもおもしろかったです。
あまりネタバレはしたくないので詳しい内容は書きませんが、主人公は大学を卒業してから正社員で働いたことがなく、ずっとコンビニでバイトをしている36歳の独身女性。この主人公の女性を通して「普通ってなんだろう?」と考えさせられる本です。

最近、「○○じゃないと幸せじゃない」みたいなことが多い気がします。
正社員じゃなきゃダメ
結婚しなきゃダメ
子供を産まなきゃダメ
多数派を善、少数派を悪として多様性を認めないこの世の中に疑問を感じている方はぜひともおすすめしたい一冊です。

この小説の中で、主人公が「普通」になろうとし、その様子に主人公の妹や友達が安心する場面があります。その場面を読んで、なんか既視感があって。そう。われらが稲葉さんの歌詞です。


波風なしで暮らせば 親戚中も安心するし
フツーなことにこしたことはない
そんなの承知してる してるけどだけど (灼熱の人/稲葉浩志)



マグマ

この曲が収録されているアルバム「マグマ」は、「一般的にこうするものだから」とか「周りがこう言うから」ではなく自分の心に従った生き方をする、という歌詞がたくさんあるような気がします。


自由とは僕だけに都合いいことでしょう (冷血)


僕の魂は僕の 君の魂は君のいうことしか聞かない (Soul Station)


どこまでも楽しんでいける 自分の道ならば
ときにはげしいさみしさと戦いながら (愛なき道)


「コンビニ人間」を読んで、「マグマ」の曲を思い出したりして、無理して多数派のやり方をしなくても、自分の思うとおりに生きればいいんじゃないか、と。そう思ったんです。

自分の思うとおりに生きる、というのは「自由」ともつながっていくと思うんです。最近の嵐大野君の決断を見て思ったんです。会社が作ったレールの上で生きるのではなく、自分が選んだレールで生きる、という決断を。


自分の中にある選んだレールの上にしかないもの
それこそが自由 (Freedom Train/B'z)


自由とは長く、さびしく、そして険しいのです!と言っていますがそれでもやはり憧れて、そこに行こうとしてしまうのかもしれません。


話がだいぶ飛躍してしまいましたが、一般論で誰かを縛ることなく、そして一般論で自分自身の首をしめることなく、誰もが自分らしく生きられる世の中になればいいな、と思うのです。

光芒

今年のPleasureツアーでやってくれた「光芒」。ファンクラブで募集した「ライブでやってほしい曲」でも上位にきていた曲です。B'zの曲の中でもかなり音域が広い曲だと思います。確か稲葉さんのコンディションが悪いときはこの曲は外したと聞いています。それぐらい全身全霊を込めて、全力で歌わないとできない歌だから、さらに感動してしまうのでしょう。(もちろんどの曲も全力で歌っているとは思いますが…)

どこかで狂う 夢の時計の歯車
押し寄せる日々の流れ


これ、すごいフレーズだよな~。若い頃は努力や情熱だけでどんどん前に進めたけど、現実を知ると自分の中では全く前に進めない、でも時間はどんどん進んでいく。自分の心の中の時間と実際の時間のずれとか、矛盾を表現しているすごい歌詞だなって思います。


それとこの曲、B'zの曲では珍しいと思うんですが、「大サビ」と呼ばれる部分があります。
これ、最近気づいたんですが。

光を求め歩き続ける
君の情熱がいつの日か
誰かにとっての光となるでしょう
誰かにとっての兆しとなるでしょう


ここから曲調もマイナーからメジャーに変わって、歌詞も前向きに変わって本当に暗闇の中から光の筋が見えてくるような、そんな雰囲気です。そこまでは分かってたんですが。大サビに入る前は「僕」だったのが、大サビに入ると「君」になっています。

崩れ落ちそうな気持ち、それでも光を探して半歩でも進もうとしている。そして大サビから主体が変わり、それを見ている「誰か」がその姿に心打たれている、と。つまり大サビの部分は、頑張っている「僕」の姿を見守ってくれている「誰か」の視点の歌詞だったのか、と。それに気づいたときまたさらに感動しちゃいました。

曲全体を聴くと一つの舞台を見終わった後みたいな。なんかすごく心が満たされる感じがあります。いろんな人に聴いてほしいな~と思う曲の一つです。



ACTION



B'z LIVE-GYM 2008 -ACTION- [Blu-ray]

Blue Sunshine

誰もが光と影の間を彷徨い続けて
少しでも明るい方へと手を伸ばして涙流す(Blue Sunshine/B'z)


このフレーズ、とても好きなんですけど抽象的な表現だから「どういう意味なんだろう?」って思っていたんです。いろいろ考えたけれどイマイチしっくりくる解釈ができなくて。

それから十何年後かに発売された曲にこんなフレーズがあります。


ヘッドライトが照らす 謎めく美しい闇 (CHAMP/B'z)

この表現で、稲葉さんって「光」の方ではなく「闇」の方を美しいと捉えるんだって思ったんです。光を照らして闇の方を美しいって言うって、ちょっと視点を変えただけなんですけどそれがすごくないですか?「信じる者は救われる」という神様を「信じるものしか救わないせこい神様」と捉える稲葉さんらしいなって思ったんです。

「バックミラーはいらない」で始まるこのCHAMPという曲の歌詞は、過去の栄光なんかにとらわれず、とにかく前へ前へとグイグイいってる感じがします。光り輝いてた過去よりも、誰も踏み入れたことのない領域、謎めく闇の未来の方が美しいと感じているんですね。

で、「Blue Sunshine」なんですけど。「光」というのは楽しく光り輝いていた「過去」のことで、「影」はまだ見ぬ何か恐れや不安のある「未来」で、「現在」はまさにその間を彷徨っている。未来へ進まなきゃいけないんだけど、会いたいけれど何らかの理由で会うことができない人のことを想って、楽しかった思い出に手を伸ばして涙を流してしまう。そういう事なんじゃないかなって、ふと思ったんです。

「Blue Sunshine」の歌詞、最初はこの車を運転する主人公の方を気持ちを考えて切ないな~って思ってたんですけど、車に乗せてる「あなた」の気持ちを考えても切ないですね。

もう戻ることのできない過去。どうやったって会うことのできない人。そっちに手を伸ばしても結局現実に戻されて傷ついてしまうのに、どうして誰もがそうしてしまうのでしょう。戻ることのできない過去を表現する稲葉さんの歌詞っていつも切ないです。


GREEN

休止符で遊ぶ

稲葉さんの歌詞には「~だ」「~しろ」みたいな断言するものもありますが、中にはあえて断言していない歌詞もあります。一度断言してみるものの、いやいや嘘嘘、みたいな。

例えば、「声明」

凄いねと周りから
(お。いいじゃん)

殊の外褒められて
(よかったじゃん)

うっとりと明るい未来
(いいね、いいね)

掴んだ夢を見た
(夢かーーーい!!)


みたいなの。

あと、「ザ・マイスター」

そうだ、オレはマイスター って信じながら

も、そうだと思います。「オレはマイスター」で言いきればいいのに後から「って信じながら」を加えるという。

あと、あれもそうかな。「流星マスク」

自分も誰か幸せにできるかもしれない 的なこと


私の中では流星マスクのこのフレーズ、断言できないキングです。大好きです。

この3曲とも「休止符」を生かした歌詞だと思うんです。お笑いで言うとオチ前の「間」みたいな。歌詞って私は書いたことないですが、もし今の私が歌詞を書けと言われたら、黒い音符に言葉を一生懸命はめるようとすると思います。でも稲葉さんクラスの人は休止符も遊んで歌詞を作るんだな~って思いました。3曲とも絶妙な「間」だと思うんですよね。

で、聴き手はこの休止符にいろんな想像をしてしまいます。
「声明」は、夢と現実の境目、みたいな。この休止符ですっと現実に戻ってる感じがします。

「ザ・マイスター」だったら、弱気ゆえに断言してないわけじゃなく、まだまだ不完全で、マイスターだと信じながら汗にまみれ垢にまみれてるのを楽しんでいて。だから「マイスター」だと断言することをためらったのかな。とか。

「流星マスク」だったら「どんなことが面白くてそばにいてくれるの」と思っちゃうほど自分に自信がない弱気さと、「好きだとはっきり聞こえた夜更けの電話の声」にちょっとウキウキしている感じが、一拍置いた後のこの「的なこと」に含まれてる気がします。

ライブでもあえて「間」を作ることがありますよね。例えば「マイミライ」で「でもここらへんでSTOP」のあと、長めにブレークしたり。演奏を止めて観客をあおるのが好きなのかな~って思います。ライブでも曲作りでも音を詰めすぎていないところがB'zのいいところなんじゃないでしょうか。

そんなところも期待しながらニューアルバムの発売を待ちたいと思います。



SAIHATE HOTEL

前にZIP!で、松任谷由実さんがインタビューで話していたんですが。歌詞について、「『愛してる』とか『悲しい』とか、そういう感情を直接その言葉を使わずにアイテムを使って表すようにしてる。『ルージュの伝言』は映画で鏡に口紅でさよならのメッセージを書くところが印象的でそれを歌詞に使いたかった。『バスルームにルージュの伝言』というフレーズも『鏡』とか『口紅』という直接的な単語は使っていない。使っていないけど、その方が聴き手側が映像として思い浮かぶかな、と思った。」みたいなことを話してたと思います。たぶん。朝の準備をしながら聞いていたのでうろ覚えですが(笑)ニュアンス的にはたぶんこんな感じだったと思います。朝の準備で忙しいながらも「なるほどな~」と思って聞いてました。私、松任谷由実の歌詞で好きなフレーズがあって。


冷たくされて いつかは見返すつもりだった
それからどこへ行くにも
着飾ってたのに
どうしてなの 今日に限って
安いサンダルを履いてた /DESTINY


このフレーズ、めちゃくちゃ切なくないですか?この歌詞も「切ない」みたいな直接的な単語を使わず、安いサンダルという絶妙なアイテムを使ってその感情を表してます。さすがですよね。


稲葉さんの歌詞にもこういうアイテムを使ったものってなんだろう?って考えたんですけど、結構ありますよね。まず最初に思い付いたのが

明け方の夢の中だけじゃなくて
文字だらけの画面の中でもなくて /Touch


この歌詞も、「メール」という直接的な単語は使っていません。「文字だらけの画面」って言った方がなんか無機質な感じが出てますよね。

たばこくわえ 電話にらみ
男は送るヒミツのメッセージ /SAIHATE HOTEL


「メッセージ」というともしかしたら留守電のメッセージを入れてるのかな、とも思いますが、留守電の場合だと電話は耳に当てているので電話をにらむことはできません。「電話にらみ」「ヒミツのメッセージ」で「メール」という単語を表現してます。「Touch」の場合は無機質感、「SAIHATE~」の場合はちょっとドキドキ感があって、同じ「メール」のことを言っていても印象が違います。

SAIHATE HOTELって歌詞に出てくるアイテムが絶妙だと思うんです。特にあのアイテムが絶妙だと思ってます。みなさんもそう思いませんか?









ショパン



この「ショパン」というアイテムが出てくるのと出てこないのとではこの歌詞の印象って全然違うと思うんです。「たばこ」「電話」「ショパン」というこの3つのアイテムから「男」の雰囲気を表してるし、歌詞全体の雰囲気も彩ってる気がします。

「無音の劇場」「おおげさなドラマをつくること」と歌っているように、歌詞全体がドラマのような、映画のような、そんな雰囲気にしています。「ボク」と「君」が、一部分だけ「男」「女」になっているのも「ボク」と「君」が役者になっている雰囲気がします。そこに「ショパン」なわけですよ。FMでも歌謡曲でもない、「ショパン」なところが歌詞全体の雰囲気を強く印象付けてる気がするんです。

これはアイテムとは関係ない話なんですが。 「窓にうつるのは自分の亡霊」という表現も好きです。比喩表現が「自分が亡霊のように映ってる」という直喩じゃなく(直喩にするとちょっとホラー・笑)、隠喩になってるのがいいな~って。で、そのあと「生きてることに気づかないけどかまやしない」と、亡霊に続きこちらも半分死んでるような、そんな歌詞が続きます。でもこれらの歌詞って次のフレーズを際立たせるための前フリなのかなって。

恋に落ちるということは もう少し生きたいと願うこと

恋に落ち、不安まみれ、眠れない、亡霊状態になって。それでも待つ。完璧なプラス思考じゃない。ほんのわずかな米粒ほどの前向きさが泣けます。そして誰かがノックする気配がして男が立ち上がる、この物語のラストシーンがまたいいじゃないですか。

ねー!SAIHATE HOTELっていいでしょー!!このSAIHATE HOTEL、2016年8月3日にリリースされる DVD & Blu-ray「Koshi Inaba LIVE 2016 ~enIII~」に収録されてますので、みなさんもぜひご購入ください!! (無理やり着地)

Koshi Inaba LIVE 2016 〜enIII〜[Blu-ray]
稲葉浩志
VERMILLION RECORDS(J)(D)
2016-08-03


もう一つブログを作りました。よろしければそちらもご覧ください。
てるてる坊主の反撃
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