誰もが光と影の間を彷徨い続けて
少しでも明るい方へと手を伸ばして涙流す(Blue Sunshine/B'z)


このフレーズ、とても好きなんですけど抽象的な表現だから「どういう意味なんだろう?」って思っていたんです。いろいろ考えたけれどイマイチしっくりくる解釈ができなくて。

それから十何年後かに発売された曲にこんなフレーズがあります。


ヘッドライトが照らす 謎めく美しい闇 (CHAMP/B'z)

この表現で、稲葉さんって「光」の方ではなく「闇」の方を美しいと捉えるんだって思ったんです。光を照らして闇の方を美しいって言うって、ちょっと視点を変えただけなんですけどそれがすごくないですか?「信じる者は救われる」という神様を「信じるものしか救わないせこい神様」と捉える稲葉さんらしいなって思ったんです。

「バックミラーはいらない」で始まるこのCHAMPという曲の歌詞は、過去の栄光なんかにとらわれず、とにかく前へ前へとグイグイいってる感じがします。光り輝いてた過去よりも、誰も踏み入れたことのない領域、謎めく闇の未来の方が美しいと感じているんですね。

で、「Blue Sunshine」なんですけど。「光」というのは楽しく光り輝いていた「過去」のことで、「影」はまだ見ぬ何か恐れや不安のある「未来」で、「現在」はまさにその間を彷徨っている。未来へ進まなきゃいけないんだけど、会いたいけれど何らかの理由で会うことができない人のことを想って、楽しかった思い出に手を伸ばして涙を流してしまう。そういう事なんじゃないかなって、ふと思ったんです。

「Blue Sunshine」の歌詞、最初はこの車を運転する主人公の方を気持ちを考えて切ないな~って思ってたんですけど、車に乗せてる「あなた」の気持ちを考えても切ないですね。

もう戻ることのできない過去。どうやったって会うことのできない人。そっちに手を伸ばしても結局現実に戻されて傷ついてしまうのに、どうして誰もがそうしてしまうのでしょう。戻ることのできない過去を表現する稲葉さんの歌詞っていつも切ないです。


GREEN